虎に似たる石を射しかば 其の矢 羽ぶくらまでせめぬ - Shot an arrow at the stone he believed was the tiger. The arrow penetrated the stone all the way up to its feathers. -
李広将軍(りこうしょうぐん)と申せし(もうせし)・つはもの(強者)は虎(とら)に母を食われて 虎に似たる石を射(い)しかば 其の矢(その 矢)羽ぶくら(はぶくら)までせめぬ、後に(のちに)石と見ては立つ事なし
四条金吾殿御返事(石虎将軍御書、1186頁)弘安元年10月
通解(意訳)
中国の李広将軍(りこうしょうぐん)という武将(ぶしょう)は、虎に母を食い殺された辛い経験があった。
ある日、虎によく似た石を見つけたが、李広には「虎は母の敵(かたき)」という想いが強かったので、その石が本物の虎に見えた。「母の敵討ち」という強い想いを込めて矢を放ったところ、その矢は矢ぶくら(矢の羽根の部分)にまで突き刺さっていた。
しかし、それが虎に似た石であると勘違いしていたことに気付いてからは、何度その石に矢を射ても、矢が石に刺さるということはなかったという。
このように、自身の強い一念があれば、不可能と思われることを実現することができる。
English Translations
" General Stone Tiger "
The mighty warrior General Li Kuang, whose mother had been devoured by a tiger, shot an arrow at the stone he believed was the tiger. The arrow penetrated the stone all the way up to its feathers. But once he realized it was only a stone, he was unable to pierce it again.
"The Writings of Nichiren Daishonin",Vol.1,P953
参考文献:「御書をひもとく」「英語で学ぶ御書」 第三文明社
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