南無妙法蓮華経と唱うる胸中の肉団におはしますなり - The Gohonzon exists only within the mortal flesh of us ordinary people who embrace the Lotus Sutra and chant Nam-myoho-renge-kyo.


此の(この)御本尊 全く(まったく)余所に求る(よそ に もとむる)事なかれ・只(ただ)我れ等(われら)衆生の法華経を持ちて(たもちて)南無妙法蓮華経と唱うる胸中の肉団(きょうちゅう の にくだん)におはしますなり(おわしますなり)、是を(これを)九識心王真如の都(くしき しんのう しんにょ の みやこ)とは申すなり、
十界具足(じっかいぐそく)とは十界(じっかい) 一界もかけずいっかい も 欠けず)一界にあるなり、之に依つて(これ に よって)曼陀羅(まんだら)とは申すなり、曼陀羅と云う(いう)は天竺(てんじく)の名なり此には輪円具足(りんえん ぐそく)とも功徳聚(くどくじゅ)とも名くるなり、此の御本尊も只(ただ)信心の二字に をさまれり(収まれり) 以信得入(いしんとくにゅう)とは是なり。

日女御前御返事(本尊相貌抄、1244頁) 建治3年8月


通解

この御本尊は、決して他の所に求めてはならない。ただ、我ら衆生が法華経(御本尊)を信受し、南無妙法蓮華経と唱える、胸中の肉団にいらっしゃるのである。これを「九識心王真如の都」というのである。

十界具足とは、十界の中の一界も欠けず、そのまま一界に納まっているということである。これによって、御本尊を曼陀羅というのである。曼陀羅というはインドの言葉であり、訳すれば輪円具足とも、功徳聚ともいうのである。この御本尊も、ただ信心の二字に収まっているのである。「信を以って入ることを得たり」とあるのは、このことである。


意訳

この御本尊を、「どこか別の場所にある特別なもの」と考えるのは間違いで、よそに求めてはならない。ただ、私達が御本尊を信じ抜いて、「南無妙法蓮華経」と唱える、自身の命の中に厳然と備わっているのである。
自分自身の生命の中に、不可能を可能にする秘められた自身の仏の生命の宮殿があり、これを「九識心王真如の都」という。
十界具足とは、一瞬の人の生命の状態を著す考えであり、すなわち、自身の命がそのまま御本尊であり、これを曼荼羅に顕されたものである。
曼荼羅とはインドの言葉であり、円の様に欠けることのなく、全てが備わっている完全な命の状態を指す「輪円具足」、功徳の集まりである「功徳聚」と訳する。
この御本尊も全く同じであり、ただ信心の二文字に全てが備わっているのであり、信心によってのみ、自身の仏界を開くことができるのである。


English Translations

" The Real Aspect of the Gohonzon "

Never seek this Gohonzon outside yourself. The Gohonzon exists only within the mortal flesh of us ordinary people who embrace the Lotus Sutra and chant Nam-myoho-renge-kyo. The body is the palace of the ninth consciousness, 8 the unchanging reality that reigns over all of life’s functions. To be endowed with the Ten Worlds means that all ten, without a single exception, exist in one world. Because of this it is called a mandala. 

Mandala is a Sanskrit word that is translated as “perfectly endowed” or “a cluster of blessings.”
This Gohonzon also is found only in the two characters for faith.9 This is what the sutra means when it states that one can “gain entrance through faith alone.


"The Writings of Nichiren Daishonin",Vol.1,P832





参考文献:「御書をひもとく」「英語で学ぶ御書」 第三文明社




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