声仏事を為す之を名けて経と為す - The voice carries out the work of the Buddha





妙(みょう)とは 法性(ほっしょう)なり 法とは無明(むみょう)なり 無明法性(むみょう ほっしょう) 一体なるを妙法と云う(いう)なり
蓮華(れんげ)とは 因果の二法(いんが の にほう)なり 是(これ)又 因果一体(いんが いったい)なり 経(きょう)とは 一切衆生(いっさいしゅじょう)の言語音声(げんご おんじょう)を経と云うなり、
釈(しゃく)に云く(いわく)声仏事を為す(こえ ぶつじを なす) 之を名けて(これ を なづけて)経と為す(なす)と、或(あるい)は三世常恒(さんぜ じょうごう)なるを経と云うなり、
法界(ほっかい)は妙法なり 法界は蓮華なり 法界は経なり

御義口伝(708頁) 弘安元年正月

通解(意訳)


妙法を無明と法性に照らせば、妙は法性であり、悟りの境涯である。法は無明であり、迷いの境涯である。
悟りの境涯と迷いの境涯の違いは、「一人の人間に備わっている、生命の状態(境涯)が変化した状態」を示したものであるから、無明と法性は別々のものではなく、無明と法性は一体(無明法性一体)であるという事があらわされている。
蓮華とは、因(原因)と果(果報、結果)の二つを示したものであり、果報の現れ(結果の現れ)は様々な原因によって変わる。逆に、現在の様々な因によって結果が決まるものであり、因果は別々のものではなく一体である。
生命の状態を顕した十界論において、悟りの境涯である仏界を開く「因」は、十界中の九界すべてに備わっており、悟りの境涯を開いた「果」である仏界には、九界すべてが備わっている。
蓮華という植物は花と実が同時に開く(成る)ように、悟りの境涯を開く直道もまた、因果一体(因果俱時)である事をあらわしている。

経とは、あらゆる人の言葉の音声のことである。章安大師が「声 仏事を為す 之を名けて 経と為す」と言っているように、南無妙法蓮華経こそ、最高の経であり、最高の音声なのである。
または、生命とは過去、現在、未来の三世に渡り、永遠に続いていくことを経というのである。
これらを合わせて、法界(仏界)という大宇宙の摂理も、わが生命の摂理も、自然の摂理の全てが皆、妙法であり、蓮華であり、経なのであり、宇宙生命の根源のことを、妙法蓮華経というのである。


English Translations


" Nam-Myoho-Renge-Kyo. "


Myō stands for the Dharma nature or enlightenment, while represents darkness or ignorance. Together myōhō expresses the idea that ignorance and the Dharma nature are a single entity. 
Renge stands for the two elements of cause and effect. Cause and effect are also a single entity.

Kyō represents the words and voices of all living beings. A commentary [On “The Profound Meaning,” volume one] says, “The voice carries out the work of the Buddha, and this is called kyō, or sutra.” Kyō may also be defined as that which is constant and unchanging in the three existences of past, present, and future. 
The Dharma-realm is myōhō, the Wonderful Law; the Dharma-realm is renge, the lotus blossom; the Dharma-realm is kyō, the sutra.


"The Record of The Orally Transmitted Teachings", P 4



参考文献:「御書をひもとく」「英語で学ぶ御書」 第三文明社
Bibliography : "The Writings of Nichiren Daishonin"
"The Record of The Orally Transmitted Teachings"



御書をひもとく
英語で学ぶ御書
The Writings of NICHIREN DAISHONIN Vol.1
The Writings of NICHIREN DAISHONIN Vol.2



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