苦をば苦とさとり楽をば楽とひらき - Suffer what there is to suffer, enjoy what there is to enjoy



本文
世間の留難来るとも・とりあへ給うべからず、賢人・聖人も此の事はのがれず、
ただ女房と酒うちのみて南無妙法蓮華経と・となへ給へ、
苦をば苦とさとり楽をば楽とひらき苦楽ともに思い合せて南無妙法蓮華経とうちとなへゐさせ給へ、
これあに自受法楽にあらずや、いよいよ強盛の信力をいたし給へ
せけん の るなん きたる とも・とりあえ たもう べからず、けんじん・しょうにん も この こと は のがれず、
ただ にょうぼう と さけ うちのみて なんみょうほうれんげきょう と・となえ たまえ、
く をば く と さとり らく をば らく と ひらき くらく とも に おもい あわせて なんみょうほうれんげきょう と うちとなえ させたまえ、
これ あに じじゅほうらく に あらずや、いよいよ ごうじょう の しんりき を いたし たまへ
四条金吾殿御返事
しじょうきんごどのごへんじ
[衆生所遊楽御書]
しゅじょうしょゆうらくごしょ
(1143頁)
建治2年6月
(1276年)
通解(意訳)
世間の種々な難がおこっても、とりあってはいけない。賢人や聖人であっても、人生を生きる上で起こる困難からは逃れる事はできないのである。ただ女房と酒でも飲みかわして、南無妙法蓮華経と唱えていきなさい。
苦しい時は苦しいままに、楽しい時は楽しいままに、苦しくても楽しくても南無妙法蓮華経と唱えきって、今世の人生を存分に楽しみなさい。
これこそ自受法楽であり、自ら仏の悟りの法を受け、現世を楽しむ事ができる絶対的幸福ではないか。ますます強盛の信心をしていきなさい。

英語で御書
Gosho in English
Though worldly troubles may arise, never let them disturb you. No one can avoid problems, not even sages or worthies.
Drink sake only at home with your wife, and chant Nam-myoho-renge-kyo. Suffer what there is to suffer, enjoy what there is to enjoy. Regard both suffering and joy as facts of life, and continue chanting Nam-myoho-renge-kyo, no matter what happens.
How could this be anything other than the boundless joy of the Law? Strengthen your power of faith more than ever.
" Happiness in This World "
"The Writings of Nichiren Daishonin", Vol.1, p. 681
in June, 1276.
[ --- ] is liberal translation.
Gosho in Japanese
世間 の 留難 来る とも・とりあへ 給う べからず、賢人・聖人 も 此の 事 は のがれず、
ただ 女房 と 酒 うちのみて 南無妙法蓮華経 と・となへ 給へ、
苦 をば 苦 と さとり 楽 をば 楽 と ひらき 苦楽 ともに 思い 合せて 南無妙法蓮華経 と うちとなへゐ させ 給へ、
これ あに 自受法楽 に あらずや、いよいよ 強盛 の 信力 を いたし 給へ
SEKEN NO RUNAN KITARU TOMO・TORIAE TAMOU BEKARAZU, KENJIN SHŌNIN MO KONO KOTO WA NOGEREZU,
TADA NYŌBŌ TO SAKE UCHI NOMITE NAM-MYOHO-RENGE-KYO TO・TONAE TAMAE,
KU WOBA KU TO SATORI RAKU WOBA WAKU TO HIRAKI KU-RAKU TOMO NI OMOI AWASETE NAM-MYOHO-RENGE-KYO TO UCHI TONAE SASE TAMAE,
KORE ANI JIJYU-HOURAKU NI ARAZUYA, IYO-IYO GŌJŌ NO SHIN-RIKI WO ITASHI TAMAE
四条 金吾 殿 御返事
SHIJŌ KINGO DONO GOHENJI
[衆生所遊楽 御書]
SHUJŌ-SHO-YŪ-RAKU GOSHO
参考文献: 「日蓮大聖人御書全集」
「御書をひもとく」
「英語で学ぶ御書」
第三文明社
Bibliography : "The Writings of Nichiren Daishonin"
"The Record of The Orally Transmitted Teachings"

コメント

このブログの人気の投稿

人のために火をともせば・我がまへあきらかなるがごとし - if one lights a fire for others, one will brighten one’s own way.

湿れる木より火を出し乾ける土より水を儲けんが如く強盛に申すなり - praying as earnestly as though to produce fire from damp wood, or to obtain water from parched ground.

蒼蝿驥尾に附して万里を渡り 碧蘿松頭に懸りて千尋を延ぶ - A blue fly, if it clings to the tail of a thoroughbred horse, can travel ten thousand miles, and the green ivy that twines around the tall pine can grow to a thousand feet.