一切衆生の盲目をひらける功徳あり - It has the beneficial power to open the blind eyes of every living being



日蓮が慈悲曠大ならば南無妙法蓮華経は万年の外・未来までもながるべし、
日本国の一切衆生の盲目をひらける功徳あり、無間地獄の道をふさぎぬ、
此の功徳は伝教・天台にも超へ竜樹・迦葉にもすぐれたり
極楽百年の修行は穢土の一日の功徳に及ばず、正像二千年の弘通は末法の一時に劣るか、
是れひとへに日蓮が智のかしこきには・あらず時のしからしむる耳
にちれん が じひ こうだい ならば なんみょうほうれんげきょう は まんねん の ほか・みらい までも ながるべし、
にほんこく の いっさいしゅじょう の もうもく を ひらける くどく あり、むげんじごく の みち を ふさぎぬ、
この くどく は でんきょう・てんだい にも こえ りゅうじゅ・かしょう にも すぐれたり
ごくらく ひゃくねん の しゅぎょう は えど の いちにち の くどく に およばず、しょうぞう にせんねん は まっぽう の いちじ に おとるか、
これ ひとえ に にちれん が ち の かしこき には・あらず とき の しからしむる のみ
報恩抄
ほうおんしょう
(329頁)
 建治2年7月
(1276年)
通解(意訳)
「南無妙法蓮華経だけが、全世界のあらゆる人々を差別なく救い、自身の仏性に目覚め、自身の妙法の力で幸せをつかむことのできる、真実の法である。この妙法を一切衆生に弘めよう」 という、日蓮の慈悲の心が広大であるならば、南無妙法蓮華経は万年という時をも越えて、未来永遠に流布するに違いない。
日本のあらゆる民衆の、暗く落ち込んでいる盲目の生命を開く功徳がある。無間地獄の道をふさいで、あらゆる苦しみの根源を断ち切るのである。 
この功徳は、過去に法華経の教えを説いた日本の伝教大師、中国の天台大師も超えて、さらにはインドの竜樹菩薩、釈迦の十大弟子の一人である、迦葉尊者よりも優れているのである。
極楽百年の修行は、穢土の一日の功徳に及ばない。正像二千年の弘通は、末法の一時の弘通に劣るのである。
これはひとえに日蓮の智慧がすぐれているからではない。弘めるべき時がきたのみである。

英語で御書
Gosho in English
If Nichiren's compassion is truly great and encompassing, Nam-myoho-renge-kyo will spread for ten thousand years and more, for all eternity, for it has the beneficial power to open the blind eyes of every living being in the country of Japan, and it blocks off the road that leads to the hell of incessant suffering.
Its benefit surpasses that of Dengyo and T'ien-t'ai, and is superior to that of Nagarjuna and Mahakasyapa.
A hundred years of practice in the Land of Perfect Bliss cannot compare to the benefit gained from one day’s practice in the impure world.
Two thousand years of propagating Buddhism during the Former and Middle Days of the Law are inferior to an hour of propagation in the Latter Day of the Law.
This is in no way because of Nichiren’s wisdom, but simply because the time makes it so.
" On Repaying Debts of Gratitude "
"The Writings of Nichiren Daishonin", Vol.1, p. 736
in July, 1276.
in Month, 12xx.
[ --- ] is liberal translation.
Gosho in Japanese
日蓮 が 慈悲 曠大 ならば 南無妙法蓮華経 は 万年 の 外・未来 まで も ながる べし、
日本国 の 一切衆生 の 盲目 を ひらける 功徳 あり、無間地獄 の 道 を ふさぎぬ、
此の功徳は伝教・天台にも超へ竜樹・迦葉にもすぐれたり
極楽百年の修行は穢土の一日の功徳に及ばず、正像二千年の弘通は末法の一時に劣るか、
是れひとへに日蓮が智のかしこきには・あらず時のしからしむる耳
NICHIREN GA JIHI KŌDAI NARABA NAM-MYOHO-RENGE-KYO WA MAN-NEN NO HOKA・MIRAI MADE MO NAGARU BESHI,
NIHONKOKU NO IS'SAI-SHUJŌ NO MOUMOKU WO HIRAKERU KUDOKU ARI, MUKEN-JIGOKU NO MICHI WO FUSAGINU,
KONO KUDOKU WA DENKYO, TENDAI NIMO KOE RYŪJU・KASHŌ NIMO SUGURETARI
GOKURAKU HYAKUNEN NO SHUGYŌ WA EDO NO ICHINICHI NO KUDOKU NI OYOBAZU, SHŌZŌ NISEN-NEN WA MAP'PO NO ICHIJI NI OTORUKA,
KORE HITOE NI NICHIREN GA CHI NO KASHIKOKI NIWA・ARAZU TOKI NO SHIKARASIMURU NOMI
報恩抄
HŌ ON SHŌ
参考文献: 「日蓮大聖人御書全集」
「御書をひもとく」
「英語で学ぶ御書」
第三文明社
Bibliography : "The Writings of Nichiren Daishonin"
"The Record of The Orally Transmitted Teachings"

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